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カーテンを優しく揺らし心地よい風が吹いた。
「ピアノの練習か?」
珍しくあいつから話しかけてきた。
「ああ。学校だと集中できるしコンクールが近いからね」
「そうか。頑張れよ」
そう言うとユニフォームを羽織り席をたった。
1番と書かれた背番号が眩しかった。
「言われなくても頑張ってるよ」
俺は自分で言ってハッとした。
こんなことコイツに言う必要ないのに…
「それもそうだな。お前の演奏を聴けばわかる」
少しあいつの顔が穏やかに見えた。
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