いつもの…

9/11
前へ
/22ページ
次へ
カーテンを優しく揺らし心地よい風が吹いた。 「ピアノの練習か?」 珍しくあいつから話しかけてきた。 「ああ。学校だと集中できるしコンクールが近いからね」 「そうか。頑張れよ」 そう言うとユニフォームを羽織り席をたった。 1番と書かれた背番号が眩しかった。 「言われなくても頑張ってるよ」 俺は自分で言ってハッとした。 こんなことコイツに言う必要ないのに… 「それもそうだな。お前の演奏を聴けばわかる」 少しあいつの顔が穏やかに見えた。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加