反則な落とし穴

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俺は急いでクローゼットから服を引っ張り出しながら頭の中で考える。 走ったら多分12、3分でいける。これなら間に合う!でも朝飯抜き決定。 服は昨日から考えていたのであまり時間をとることは無かった。 携帯と財布をズボンのポケットに突っ込んで靴を履き、俺は勢いよくドアを開けた。 「んじゃ行ってきっまあああぁぁ!?」 「行ってらっしゃーい。」 母親の行ってらっしゃい、という声がどこか遠くで聞こえた。 どこかっていうか、頭上? ていうか俺のいかにもやばそうな感じの声聞いてスルー? ていうかドア開けたすぐ前に落とし穴って反則じゃね? え、下を向いていれば良かったって? …俺はそんな生き方はしたくない!…ちょっとかっこいいこと言った、自分。 少し思考回路が現実逃避に走り出したところで、俺は現実を見つめ直した。
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