朝のひととき(命がけ)

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さっきの話の内容を要約するとこういう事らしい。 俺の母親には妹さんがいるんだが、どうやら雛ちゃんはその妹さんの子供だそうだ。 妹さんは雛ちゃんを産んですぐに離婚してしまったらしい。つまり今はシングルマザーということだ。 それで今回、俺の住んでいる町の近くに出張することになった。 いつもなら出張の時は、俺の母親の所に預けるのだが…… まあお察しということで、雛ちゃんは駄々をこねたらしく、場所も近いので今回ばかり俺のところで預かることになっていたらしい。 が、あの馬鹿親が連絡するのを忘れていたらしく、今日の朝のような事態が起こってしまったというわけだ。 「ごちそーさまでしたー」 手を合わせる音とともに、呑気な声が部屋に響く。 あれこれ考えている内に雛ちゃんの食事が終わったようだ。 そういやごはん作ってやったらどうしてここにいるのか教えて貰える予定だったが、これは無駄骨――いや、おいしそうに食べてる顔も見れたことだし、まあ良しとするか。 「お粗末さん」 俺は自分と雛ちゃんの食べ終わった食器を持って台所へ向かった。 いつものように慣れた手つきで食器洗いを済ませ、リビングへ戻ると、そこに雛ちゃんの姿はなかった。 少し不安を覚えたが、落ち着いて探すと雛ちゃんの姿はすぐに見つかった。 「すー、すー」 どうやら気に入ってしまったのか、俺のベッドでお昼寝(というよりは二度寝に近いか)のご様子。 まったく、とんだ寝坊助さんだな。 かくいう俺も、今日は朝から物凄いけだるい。主にあの馬鹿親が原因である。 俺は雛ちゃんが起きないようにそっとベッドの上に乗ると、添い寝をするようにして布団をかぶった。 横になると、雛ちゃんの寝顔も堪能することができないまま、すぐに眠気が襲ってきた。
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