それが言いたくて

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それから学校で森川さんに会えば、森川さんはペコッと頭を下げて挨拶してくれる。 少し頬が赤いのは俺の気のせいか…。 森川さんに会うたびに俺の心臓は恐ろしく暴れ出し俺もペコッと頭を下げる事しかできない。 周りから見れば変な光景だろう。 木下の野郎ともたまにすれ違うがあいつは相変わらず俺の事よく思ってないみたいで言葉もかわさずすれ違うだけ。 別にどうでも良いんだけど。 そんな事しているうちに一週間がすぎた今日は月曜日の只今放課後。 スパーン!!!!!! 教室内に俺の頭と教科書のかもしだすハーモニーが響き渡った。 武が俺の頭を教科書ですっぱたいたのだ。 陽一「…」 ゴッ!!!!!!!!!! イラッとした俺は何も言わずに教科書の角を使って武の頭を殴った。 これは地味にきく。 武「~~~~~!」 あまりの痛さに頭をおさえて声を出せずにいる武。 ざまぁーみろ!!!!! 武「お前ふざけんなよ!」 陽一「何がだよっ!」 武「いつまでチンタラやってんだよ!俺だって地味に協力しただろ!?お前が停学中も森川さんに話したり、なぁ!!!」 陽一「お、おう。」 武「なのに何!今のこの状況!!会ったらペコッとお辞儀するだけ!!最初は面白くて腹抱えて笑ってたけどっ!!!!飽きた!」 陽一「知るか!」 武「一週間だぞ!?一週間おまえはお辞儀してるだけだぞ!?バカじゃん!」 陽一「あ?」 武「伝えたい事あるんじゃねーのかよ?」 陽一「!」 武「だったら、さっさと伝えろよ。」 陽一「…」 確かにある…伝えたい…事。 武は、ハァと一つため息を吐き出した。 武「森川さんも」 陽一「!!!!」 武「待ってるんじゃない?」 ニヤッとして俺にそう言う武。 俺は……… 走り出していた。
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