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そして、胸の中にどうしようもない不安を抱えたままに1週間が過ぎ、遂にその時がやってきた。
心臓の鼓動を必死に抑えながらゆっくりと封筒に手を掛け、開封。
眼を瞑り、中から一枚の紙を取り出す。
そして、内心ビクビクとしながらゆっくりと眼を開けていく。
ああ、もしこれで合格じゃなかったらどうしよう。
この半年間世話になった両親や友人達に申し訳ないよね……。
そして、紙に大きく書かれていたのは━━
【合格】
と大きく赤文字で書かれたその一言だった。
「ぃやったーーーっ!!」
嬉しさのあまり家の中で思わず滅多に出さないような大声を上げてしまった。
今家の中には誰も居ないとはいえ、途端に恥ずかしくなって縮こまってしまう。
そうなりながらも封筒中の書類に目を通して内容を確認していく。
大体は事前に調べて判っていた事だったけど……ある一ヶ所でぼくは自分の目を疑った。
何故だか、書類の中の一枚に【女子制服の採寸】について書かれた物が入っていたからだ。
その時、ぼくは学園側の手違いだろうと深く考えずにいた。
ああ、あの時にもっとちゃんと気にしていれば……きっと、今のようにはならなかっただろうに。
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