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「そうなんですか。いったい何を考えてたんです?」
「うーん……まあ、ちょっとね。それより、早く移動しちゃお。せっかくエリが教えてくれたのに遅れちゃ意味ないしさ」
「あ、そうですね」
ぼくは次の授業で使う科学の教科書とノート、それに筆記用具を取り出して手に持って立ち上がる。
ちなみに、エリと言うのはエーリシャの愛称だ。
自己紹介の時にエリ本人が「エーリシャでは少し長いので、ぜひエリと呼んで下さい」と言っていたのでクラスのみんなはそう呼んでいる。それにならってぼくもエーリシャをエリって呼んでいる。
「じゃ、いこ」
「はい」
エリと並んで歩き、科学室へと向かう。
「それでですね、昨日は━━」
「へえ、そんなんだ」
科学室までの道のりをエリと楽しく談笑しながら歩いていく。
中学の頃はこんな綺麗な子とこんな風に話す事が出来るなんて夢のような話しだったのに、今ではそれが現実になっている。
普通、男ならこんな状況は泣きながら狂喜乱舞して然るべきなんだろうけど……僕はちょっと“普通”ではないから素直に喜べないんだよなぁ~……。
「はぁ……」
知らず、ため息を吐いていた。
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