2話

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購買には、人がうじゃうじゃいた。 「出遅れたか…琢磨が宮田瑠璃にぶつかったからだぞ?」 「そうだ、そうだ。」 2人が俺を睨む。 『だ、だいたい和之が追い掛けてきたから…。わかったよ!!ラムネおごればいんだろ!!』 2人は、してやったりの顔をしていた。 『ラムネ?…私も飲みたい!』 購買にいた皆が一瞬で黙り俺たちに視線を向ける。 『えっ…?』「「えっ…えぇー!!」」 『さっき廊下でぶつかったじゃない?だからおごってよ?いいでしょ?…ねっ?』 宮田瑠璃は、俺の腕を小さく掴みながら首を傾げていた。 『ねっ?って言われても…。』 困ったように、優と和之に助けの視線を送るが和之は宮田瑠璃に見とれているし、優は即座に目を反らした。ため息をついて、宮田瑠璃に視線を戻す。大きな瞳が俺だけを見ていた。 『…お、おごれないよ。』 『どうして?』 『だって…帰る方向逆だし。俺たち、チャリだし。』 『うーん…あっ!帰りは、本郷くんの自転車に乗せてよ?』 『えっ!…それはもっと困るよ…。』 『ラムネ飲んだら、大人しく帰るから。いいでしょ?お願い!』 尚も大きな瞳が俺に向けられる…。断るいい口実もなく…ぶつかったのには罪悪感もあり…。 『分かったよ…おごるよ、ラムネ。』 『やった!じゃあ、後でね?』 嬉しそうな笑顔を残して、居なくなった。 「なんで、俺じゃなくてお前なんだよ!」 『は?』 「和之は絶対に有り得ないことだが…あれは、無理矢理のデートの申し込みに聞こえたな…琢磨、お前宮田瑠璃に変なものでも食わせたんじゃないだろうな?」 『はぁ?うんなことするわけないだろ!だいたい、なんだよデートって!ただラムネおごるだけだろ!』 そのまま、足早に居なくなった。 「あっ、琢磨!…あいつどんだけ鈍感なんだよ。」 「ん?優、なんかいったか?」 「いや…なんでもない。ほら、行くぞ!…琢磨!琢磨!待てよ…おいてくなよ!おい!」
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