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いつもの帰り道をいつも通りに帰っている。一つだけ違ったのは、後ろに優しい温もりがある事。
前方では、優と和之が横並びになりながら話していた。
「まじ、数学死んだ。なんで、よりによって1時限目なんだよ!1時限目じゃなきゃ良かったのにな。」
「本気で言ってんのか?この世で一番無くなってほしいとか言ってなかったか?…だよな、琢磨!」
『あぁ!和之には数学は無理無理!』
笑いながらそう叫んだ。
和之は横にいる優を足で蹴った。優の自転車が少しバランスを崩したが、優は「危ないだろ!バカッ!」と言いながら和之に反撃をしていた。
後ろから、綺麗な笑い声が聞こえた。
『ばかやってるだろ?』
少し、後ろに視線をやった。
『うんん。素敵だと思う!』
宮田瑠璃の発言に少し驚いた。
『だって、いつもキラキラしてる!』
『キラキラ?』
『そう。キラキラ輝いて見える。まぁ、本人達は気付いてないけど?』
そんなこと考えた事なかった。
がたんっ!
『きゃ!』
いきなり、自転車が跳ねた。ここは田舎だからよくあることだ。
『大丈夫?…危ないから掴まってて?』
前をむいていたから、宮田瑠璃がどんな反応していたかは分からない。けど…。
『…失礼します。』
そういって、遠慮がちにYシャツを摘んだ。
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