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ちょっとだけ、顔が熱くなった気がした。
「早く、来いよ!」
優がすえねぇのラムネ屋の前で手を振っていた。
『ごめんね?私、重いでしょ?』
少し覗き込むような形で見てきた。
『いや。重くないよ?』
ぶっきらぼうにそう答える。
『でも、すごい汗だよ?』
『…熱いからだよ。宮田る…宮田さんが重いからじゃないから。』
宮田瑠璃は、『そう』っと呟くともう何も言わなかった。
優達に遅れて、やっとラムネ屋に着いた。
「琢磨、なんか顔赤いぞ?宮田瑠璃を後ろに乗せて照れたのか?」
「そうなのか?琢磨!」
和之が肘で突いてきた。
『うるさいな…んなんじゃねぇよ。』
そういって、ラムネ屋に慌てて入った。
『すえねぇ!!ラムネ四本!うーんと冷えたの!』
店に、声が響く。
「その声は、琢磨やね?今行くから待っとき!」
奥からそう声がした。
『本郷くん。ここいつもくるの?』
『まぁね。ここのラムネ美味いから。』
そういって、笑うと宮田瑠璃も『そうなんだ!』と言って笑った。
その笑顔はすごく…。
ヒタッ!
『つめてぇ!!』
いきなり頬っぺに冷たいものが付けられた。
「うーんと冷たいのって自分でいってたやないの?…あら?宮田さんところの瑠璃ちゃんやない?まぁ…偉いべっぴんさんやねぇ!琢磨の彼女なん?」
怪しい笑みで二人をみた。
『違うよ!変なこと言うなよな!』
そういって、すえねぇからラムネを奪うと宮田瑠璃に渡してから外にいる二人にラムネを渡した。
「これこれ!」そう言って和之はラムネをくびっと飲んだ。
「はぁ!うまい!やっぱり学校帰りはこれにつきるね!」
優も一口飲んだ。「うまい!」満足そうにそういった。そうしていると、奥から二人が出てきた。
「瑠璃ちゃん、この三人は止めときさい。和之は暑苦しいし、優は頭と顔はいいんやけどムカつくところあるし、琢磨に関してゆーたら…普通すぎて。あんたみたいなべっぴんさんはもったいない。」
その発言に、三人ともラムネを吐き出してしまった。「もぉ!汚いやないのー!」
『すえねぇが変なこといきなり言うから…。』
ラムネを拭いながらすえねぇを見た。隣では、宮田瑠璃が笑っていた。
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