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静馬と、バス乗り込み会社へ向かった。
窓の外を見ると、二人乗りをしているカップルが目に入ってきた。
彼女の方は、少し遠慮がちに彼の背中を摘んでいた。
『なぁ…お前、高校の時に自転車の二人乗りってしたか?』
「…どーだったかなぁ…。したんじゃないか?チャリ二人乗りは青春だしな。お前は?」
『したよ。俺の自転車の後ろに乗ったのは1人だけだしな。』
バスがゆっくり出発した。
「えっ?!1人!!」
バスに静馬の声が響いた。
「…ちょっと待て!お前1人としか付き合ったこと無いとか??」
静馬の発言に笑顔を見せながら首を横に振った。
「…だよな…。1人はさすがに無いよな。」
静馬は、うんうんと首を動かした。
「そーいや、琢磨ってあんまり自分の過去について話そうとしないよな。昔の女の話とか。」
『静馬と違って、女に困らされた事ないからだよ。』
意地悪く言ってやった。
「あぁ。またそーいうこというもんな。琢磨!お前は少し女に興味を持て!お前、俺には及ばないが顔はいんだから。それとも…男に興味があるとか?」
『ばーか。…てか、顔はってなんだよ?顔はって?』
窓の景色に目を向けながらそういった。静馬は、笑いながら1人楽しそうにしていた。
「そーいや、お前明日同窓会行くとか言ってなかったか?」
思い出したかのように、そういった。
『…あぁ。』
「いいなぁ。楽しんでこいよ!」
苦笑いを浮かべて静馬を見てすぐまた窓の景色に目を向けた。
同窓会。今までずっと行かないで過ごしてきた。別に行きたくなかった訳じゃない。正直言うとみんなにはすごく会いたかった。
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