時計の秒針

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あなたと出会いこれからを約束した。 たくさんの時を過ごしたね。 いつもあなたはそばに居てくれた。 綺麗な瞳、綺麗な髪、全てが綺麗だったよ。 どんな時でも笑顔でいる愛する人。 でもあの日あなたの電話越しの声は震えていた。 涙を流すあなたの顔が浮かんだ。 どうしたのと訪ねても返事はなかった。 すぐに家に戻った時あなたはいなかった。 頭が混乱した。 どこにいるの? 電話越しにはまだ泣いてる愛する人。 何も返事がない。 秒針が12時を越えた時あなたの泣き声は止まった。 何度も愛する人の名前を叫んだ。 しかし返事はなかった。 その後電話は切れてしまった。 何度電話をしても繋がらない。 また明日には帰ってくる。 家に戻り愛する人の帰りを待った。 1日が経ち、一週間が経った。 まだ帰って来ない。 どれだけ祈り、あなたを待ったか。 しかし、もう帰って来ないのではとゆう絶望が心から湧いた。 あなたが居た頃のままの部屋。 今もまだ心に引きずっている。 またあなたと出会いたい。 そんな奇跡を信じていた。 そう、奇跡は起きた。 ある病院に行った時。 待ち合い室で待っていた。 前に居た顔に火傷の跡がある少女。 すぐにわかった。 あの日からいなくなった愛する人だ。 容姿は変わったとしても愛していたからこそわかる。 気付いた時には自然と声をかけていた。 愛する人からの涙の声。 ごめんね。 大丈夫だよ、ずっと待っていた。 温かな愛する人の温もり。 ありがとう。 私達を導いた物。 信じること。 どんなことがあっても愛すること。 ありがとう。 全てはあなたの導きです。
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