カシミア

始まりは居酒屋かな

驚いた。懐かしい顔が皆そろっている。

顔を少し赤らめながら、まだ約束の１０分前なのに、皆そろっている。

それが少しだけ悲しかった。
「久しぶりだね。」

はじめに声をかけてくれたのは明美だった。

日野　明美。

彼女は大学の同期で若干赤みのあるストレートの長い髪、
それに釣り目と外見から気が強そうだが、実際に厄介なほど気が強い。
「うん、久しぶり。」

返事を返し、彼女の右を見ると、響　りんが座っている。

彼女は無口だ。しかし微笑んでくれているので、 僕も軽く笑いながら手を振った。