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第8話
「NO!!(ダメだ)」
【郵便配達員】が門前払いをくらっていた。学とジョンは、遠くから、マリアの家を窺う。
家族を失った悲しみからか、まるで【要塞】のように、【厳重なセキュリティー】に、屋敷は護られていた。
「携帯は?」
「【番号】も【アドレス】も、変わって【音信不通】」
学のお手上げ状態に
「打つ手無しか…」
ジョンは、唸った。
「俺は、身内だから、まだ【セーフ】かも知れない。ちょっと、行ってくる」
ジョンは、屋敷に近付き、門番といくつか会話をしたが、結局、【門前払い】となった。
「ダメだ。入れてくれない。帰ろう。学」
「……あぁ」
名残惜しげに、学とジョンは、屋敷を後にした。
屋敷の窓から【マリア】が悲しげに二人を見送っていた。
「あの子は、まだ、部屋に籠もっているのかい?」
「はい。奥様」
沢山のメイドの中心にいたのは、マリアの祖母【テレジア=ナイグス】だった。屋敷を要塞に変貌させた張本人だ。
「奥様。先ほど、【ジョン様】が、お見えになりました」
「身内でも、通すんじゃないよ。財産目当てかもしれないからね!追い払いな!!」
「かしこまりました」
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