0人が本棚に入れています
本棚に追加
第5話
「マリーちゃんも、明日で、帰るのね。寂しくなるわ…」
食卓の席で涙ぐむ母親に
「いつか、必ず彼がアメリカ迎えに来ます」
マリーは自信を持って言い放つ。ガク本人は
「会話ができたら、良いけど …」
と、自信なさげに呟く。父親は
「一人にしてくれ」
と、言ったきり、部屋から出てこない。
『プルルルルッ』
マリーの携帯に着信が入った。
「Hello?(もしもし)」
マリーが何回か英語の会話をしていたが、急に顔面蒼白になり、泣き出した。
「マリー!?」
ガクが彼女に触れようとしたとたん、
「Donto、touch、me!!(私に触るな)」
マリーはその手を振り払い、リビングから出て行った。
【マリーの母親がテロ事件に巻き込まれ亡くなられた】
翌日、学校では、この話題で持ちきりだった。マリアは、クラスメート達に別れの挨拶も何も言わずに帰国した。
「くよくよするなよ?ガク?」
学よりも頭二つ分、背の高い外国人【ジョン】が、話し掛けてきた。
「これも、運命だと思わないと…」
ジョンは励まそうと言葉を選んでいるようだった。
最初のコメントを投稿しよう!