第1夜

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小説のネタが思い付かなくなってから、僕は足掻くようにネタ探しに励んでいた。 街を歩いていてもキョロキョロと不審者のように見回してネタを探し、朝、夕、晩の食事の時もネタを考えながら食べ、トイレで踏ん張ってる時も頭の中でネタを捻り出そうとしている。 それなのに、小説の神様が僕の元へと降りてきて、神の啓示を僕に与える事はしてくれず、それどころか姿も見せてくれない。 あぁ小説の神様よ。 貴方は僕を見捨てたのか? いや、きっと貴方もお忙しい人だから、もう少ししたら僕の元へとやってきてくれますよね? もう少ししたら…… という現実逃避をしてると、ますます考えはまとまらず、ネタは浮かばない。 小説の神様は多忙で只今予約百年待ちという妄想をやめ、僕は再び自力でネタを探そうとリビングのテーブルの椅子に腰掛けて新聞を読み始めた。
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