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ちょっと、言い過ぎだったかもしれない。
しばらくして頭が冷えると、少し罪悪感が湧き出てきた。
ため息をついて落ち込む。
落ち込んだ気持ちを紛らわすように、「仕事しなきゃ」と呟き、無理矢理頭を切り換えようと試みる。
僕は椅子から立ち上がった。
すると、リビングのソファーで盗み聞きしていた小娘と目が合った。
小娘は何か言いたげな目でじっと僕を眺めていた。
「なんだよ」
「龍ちゃんもああいう風に女の人と揉めたりするんだ?」
「はぁ?」
「いつもデレデレしてるわけじゃないのね」
絵理は意外なものでも見たような表情で言う。
僕は肩をすくめた。
「あのなぁ……遊びでやってるわけじゃないんだ。意見が食い違ったら対立することだってあるよ」
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