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リビングに掃除機の機械音が鳴り響く。
掃除機を動かしているのは絵理だった。
鼻歌を歌いながら掃除機をかけてる姿はやけに楽しそうで可愛らしい。
僕はリビングのソファーにうつ伏せで寝転がって彼女の様子をぼんやりと眺めていた。
絵理と暮らし始めて、一週間が経った。
今の所、特に問題は起きていない。
それどころか、彼女の家事能力は意外にもしっかりしていた。
料理のレパートリーはそれほど多くないものの、家庭的な料理は無難にこなした。
いや、むしろ、旨かった。
掃除は隅々まで丁寧にやってくれるし、洗濯もテキパキやってくれて、綺麗に衣類を畳んでタンスに直してくれる。
今どきの娘には珍しいしっかりとした子だった。
正直、あまり期待していなかったのだが、彼女の優秀さに思いの外助けられていて、僕はこの契約はもしかして成功だったんじゃないかと大変満足していた。
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