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結局学校に着くまで真美は誰にも会わなかった。
下駄箱についたら自分のロッカーを開けずにカバンから上靴を出して 今まで履いてた靴をカバンの中にしまった。
なぜ下駄箱を使わないか?
使ったとしてもなくなったり、ボロボロになったりするからだ。
使わないのではなく使えないのだ。
そしてそのまま教室に向かった。
《教室》
自分の机にカバンをおいて花の水を変えたり、机の整理をしたり…。
これが真美の日課だ。
だが、これは誰も知らない。
真美はあえて誰もいない時間帯に来ているのだ。
「……はぁ。」
唯一、この瞬間(とき)が真美が安らげる時間なのだ。
時とは酷いもので…だんだんと生徒が集まってきた。
真美の席は窓側の一番後ろ。
ずっと窓の外の空を見ている。
生徒が集まっていくにつれて教室が騒がしくなっていく。
その中に交じってこんな声が聞こえる。
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