~プロローグ~

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――田舎の村・ルンナ―― 小柄で淡い青色のさらさらの短髪、燃えるような赤い瞳が印象的な少年と大きな体で少年と同じ色をした髪を後ろで束ねた鋭く赤い瞳持つ男が剣を構え向き合っている。 「だぁー!」 少年が掛け声と同時に男に長剣をふりかざす。 キンッ! 男は少年の長剣を止める。 「甘いわ! 喰らえ! 五月雨剣(さみだれけん)!」 少年の長剣を返し男の大剣がぎらりと光る。 そして少年に大剣を激しく突きつける! 「おっと、バリアー(物理防御)!」 カッ! 少年から眩い光が放たれた! と、同時に男の大剣が宙を舞い地面に突き刺さった。 「待った! 待った! ずるいぞ! リリー! 魔法は反則だ!」 男は地面にささった大剣を抜き取った。 「父ちゃんだって俺相手に五月雨剣使うなんて……! バリア張らなかったらこっぱみじんになって死ぬわ!」 少年はちょっと怒り気味である。 彼の名はリリー・マスベル。 そしてこの大きな男はモリス・マスベル。 リリーの父である。 リリーは納得いかないのかむくれている……。 「リリー!」 遠くから若い男の声がする。 「マール!」 今までむくれてたはずのリリーはにっこりと笑って答えた。
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