~プロローグ~

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「お! マール! 狩りに行くのか?」 リリーは声の主をマールと呼んだ。 そして目を爛々とさせた。 マール・ユドシア。 リリーより五つ年上の幼馴染。 水色の綺麗な髪は短く切り揃え、背中には彼の武器でもあり道具でもある弓と矢をつけている。 背丈が高く、やせ形で切れ長のエメラルドグリーンの瞳。 一見したらクールな印象である。 「あっ! おっちゃん! そうだよ、狩りに行くんだ。 だからリリーも誘いに来たんだけど……。 お取り込み中?」 疑問府を浮かべ、首を傾げるマール。 「別に構わないさ。 兄貴分のマールも一緒なら俺も安心だし」 小さい頃から兄貴分でリリーの面倒をよく見てくれるマールをモリスは信頼している。 「ムッ! 俺だけじゃ不安なのか?」 子供扱いされて少しリリーはムッとした。 「お前が力をつけてきたのは認める。 だが、まだまだ未熟だからな」 剣をしまいながらモリスは言う。
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