~プロローグ~

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「は? 何をいきなり言い出すんだ?」 いきなり妙なことを言われマールは目を丸くした。 「だってよぉ、お前弓術ピカイチじゃん。 俺なんか誇れるもんねぇからよ……」 そう言ってリリーは足元の小石を蹴飛ばした。 「ばぁか」 マールはリリーの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。 「ばかって何さ!」 リリーはマールの手を払った。 「ばかだよ、お前は! 自分の恵まれた才能に気付いてない!」 リリーの方に向き直しマールは強く言う。 「恵まれた才能?」 リリーはきょとんとしていた。 「そうそう。 お前は祖父・祖母・父・母の能力を平等に引き継いでる。 そして全ての分野を使いこなせる。 これは恵まれてるって事だよ」 自分の事のようにマールは言った。 「……ただの七光りじゃん」 リリーは相変わらずふてくされている。 「勇者みたいじゃん」 更に目を輝かせマールは言う。 「勇者ぁ~?」 『なんだそれは?』と言わんばかりにリリーは呆れ返った。
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