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――アーズリー
ヴェルテ達が上へと上っている頃。
システム管理室へ潜入したアーズリーはCとDに見張りをさせ、自分はセキュリティーを解除したメインコンピューターの情報を自持ちのパソコンへ移していた。
「兄さん、兄さん」
「なんだ、C。なんか起きたのか?」
ようやくそれが終わって、今度はハッキングした形跡を消すためウィルスを送っていると、いつの間にやら近くにきていた手下に呼ばれる。
「いえ、問題はないですが、あれどうします?」
「あれって……開けたのか、あれ。んーとりあえず貰っておこう」
本来ここにいた奴らはやっつけたが、応援でも来たかとおれは警戒する。
しかしCは首を振って部屋の隅を指さしている。
そちらを見れば堅固そうな金庫の扉が開いて、中身が見えていた。
おれがちょっと驚いたように言えばCはピッキングツールを見せて笑っている。
「しかし結構な量だな。どうした……」
金庫に近づいて確認していると、ふいにノック音がする。
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