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だってそこにいたのは、このあたりじゃめったにお目にかかれねぇぐらいの美女だったのだ。
「ごめんなさい。余所見をしていたもので」
「あ、いや、俺こそ」
きらきらと輝くブロンドの髪とスタイルに見とれていると、これまた宝石のような淡い赤紫色の瞳で見上げられ、俺は慌てて掴みっぱなしだった手を離す。
「それじゃ、先を急いでいるので」
「あ、あぁ……」
その美女はふっと笑って言い残し夜の街に消えていった。
で俺はというと、思わぬ遭遇に心を奪われていた。
しかしこれが不運の始まりとなる。
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