New face.Ⅱ

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翌日。 「やっぱりお前は馬鹿だな」 「…………」 返す言葉もありません。 昨夜美女と別れたあと、俺は何気なくポケットに手を突っ込んで凍りついた。 なぜなら確かにそこに入れたはずのコインが消えていたからだ。 ついでに財布もなくなっている。 そうようするにあの美女にまんまと掏られたということだ。 「女に現を抜かしてだまされるなんて情けないな」 「んなこと言ったてなぁ、マジでいい女だったんだぜ!」 それを素直に仲間に話せば、アーズリーに盛大に呆れられた次第である。 でも俺だって男なわけだから、綺麗な女を見たら目ぐらい奪われるわ。 ため息をつくアーズリーにそんな言い訳を言い返そうとするも、冷たい視線で睨まれて黙らざるを得なくなる。
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