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「でもコインまで狙ったんならここに出入りしているやつかもなぁ」
なんかもういたたまれなくなってテーブルに突っ伏していると、それまで傍観していたソーレが口を挟んでくる。
「あー?けど見ない顔だったぜ」
ソーレの言う通りかもしれないが、ここでの女性はとても珍しい存在だから大体顔は把握している。
けどその誰にも一致しない。
「ま、女なんて化粧ひとつで化けるからなぁ。でどうすんだ、間抜けなヴェルさんよ」
「……悔しいけど諦める。どこの誰かもわかんないじゃやり返しのしようがねえもん」
こいつこの状況を楽しんでいやがるな。
ここまでひどい扱いをされるともう怒りさえ沸いてこない。
なんで掏られた分の金を取り返すべく、仕事を探しに掲示板へ向かおうとした。
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