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それから数分後。
最後の一人が顔面に俺の裏拳と、背中に女の蹴りを喰らって倒れたことで、俺は正面から女を見据える。
「なかなか強いんだな」
「男が当てにできないこともあるんでね」
女だと甘く見ていたが、戦う術を心得ているようだ。
そこを評価すれば、女は当然といわんばかりに笑っている。
「さ、帰りましょ」
「?あ、俺はこれ以上お前に関わる気はないぞ!」
「バーまで連れて行ってくれたっていいじゃない」
それから女がそういってまた俺のサイドカーに乗り込もうとするのを、慌てて引き摺り降ろす。
またこいつと関わっているのがほかのやつに知れたら、何を言われるか。
そのまましばらく女と押し問答をしていたが、人が集まる気配を感じて、俺は仕方なくそいつごとバーに帰る羽目になった。
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