New face.Ⅱ

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「モテモテだねぇ~」 「こんなの嬉しくない」 普段クールなくせに頑固な一面を持つアーズリーは、一度ヒートアップするとなかなか収まってくれない。 それにつられて女もヒートアップして、もう収集がつかなくなっている。 すっかり蚊帳の外に置かれていると、グリージョにそう揶揄われる。 「でも女手はあったほうがいいんじゃねーの?」 「それはそうだが……」 けどそのあとに正論を言われ、俺は考える。 確かにそうだが、いかんせんこの性格だ。 今の状況からすればアーズリーとはそりもあわなそうだし。 でもそこそこ強いし、何より自分の能力をちゃんと知り尽くして生かし方もわかっている。 色仕掛けが巧いっていうのはそういうことだろ。 「あーしゃぁないな。わかったよ」 「ホント!」 「ヴェルテ!」 考えた結果、俺はまだいがみ合っている二人の口を押さえて女に向かって言う。
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