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「敵に回すよりはましだ。それかあいつ並みの色仕掛けができるつうんなら話は別だが」
「……わかった」
その一言にはしゃぐ女を一度置いといて、今度は不満ありげな表情をしているアーズリーを宥めにかかる。
アーズリーは文句は言いたそうだったが、一応折れてくれた。
「そーいうこと。よろしくねヴェルテに眼鏡さん」
「……アーズリーだ。」
そこへ女が俺とアーズリーの腕を取って割り込んでくる。
それをすぐに振り払ったアーズリーだが、ぶきっらぼうに名乗っている。
「お前もそろそろ名乗ってくれないか」
「あ、そうだったわね。私の名前はロッサ。仲間にしてくれたこと感謝しますわ」
それで振り払うタイミングを失った俺が問えば、女―ロッサ―は半歩下がって、恭しく腰を折って名乗ってくれた。
こうして不運続きの二日間の終わりに、俺は新たな仲間を得たのだった。
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