New face.Ⅱ

17/17
前へ
/459ページ
次へ
「敵に回すよりはましだ。それかあいつ並みの色仕掛けができるつうんなら話は別だが」 「……わかった」 その一言にはしゃぐ女を一度置いといて、今度は不満ありげな表情をしているアーズリーを宥めにかかる。 アーズリーは文句は言いたそうだったが、一応折れてくれた。 「そーいうこと。よろしくねヴェルテに眼鏡さん」 「……アーズリーだ。」 そこへ女が俺とアーズリーの腕を取って割り込んでくる。 それをすぐに振り払ったアーズリーだが、ぶきっらぼうに名乗っている。 「お前もそろそろ名乗ってくれないか」 「あ、そうだったわね。私の名前はロッサ。仲間にしてくれたこと感謝しますわ」 それで振り払うタイミングを失った俺が問えば、女―ロッサ―は半歩下がって、恭しく腰を折って名乗ってくれた。 こうして不運続きの二日間の終わりに、俺は新たな仲間を得たのだった。
/459ページ

最初のコメントを投稿しよう!

268人が本棚に入れています
本棚に追加