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他人にどう言われようとも、私は構わない。
自分を自分がどう使おうかなんて自由なんだから。
たまたま周りよりちょっと綺麗で、それをアピールしたら簡単に男達が騙されただけ。
そうそれだけの話。
そうやって男を使って世界を渡り歩くのは楽だった。
けどみんな金は有るけど、簡単な手に引っかかる間抜けばかりで、私は少し今の生き方に飽きていた。
どっかに私を惹きつける様な男はいないのかしら?
あのおじいさんに出会ったのは、そんなことを考え始めた頃だった。
「その魅力を武器にもっと面白いことがしたくないかね?」
私の色仕掛けに靡かなかったおじいさんは、そういって名刺を一枚くれた。
行った先で、私はただ金を巻き上げて裕福な生活をするだけでなく、悪を倒す怪盗になったの。
確かに面白い生活を送れてる。
でも、私に近づく他の怪盗の男たちは今まで見てきたやつらとおんなじ。
ちょっと気を振ればあっさり騙されてくれる。
それだけが少し不満なの。
まぁ、騙されて言い寄ってくるなら、使わない手は無いけど。
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