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がみがみと言い争っているうちに、敵が車に乗ってやってきた。
ここでこいつに振り払われたら終わりだわ。
なのにこいつは今の今まで抵抗していたくせに、舌打ちをしながらも、私を荷台に乗せてサイドカーを走らせた。
「見捨てればいいのに」
「んなことしたら寝覚めが悪いだけだ」
真意が知りたくて聞けば、そんな答えが返ってくる。
あぁ、こいつ馬鹿だわ。そう、馬鹿が付くくらいのお人よし。
夜の街を疾走しながら私はそんなことを思う。
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