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最後の一人を蹴り上げれば、向こうも一撃を喰らわせていた。
「なかなか強いんだな」
私が男相手に戦ったことをこいつは、そう評価してくる。
「男が当てにできないこともあるんでね」
今日のように私を見捨てた奴らみたいなのもいるんだもの。
それに人を使って生きてる分、自分を守るのは自分だけだったし。
で、ここまでしてくれたんだから、最後まで面倒見てくれるのかと思いきや、ひょいと首根っこを掴まれる。
「バーまで連れて行ってくれたっていいじゃない」
身長差があるから宙ぶらりんにされたまま私は、またこいつと言い争う。
幸い野次馬が集まりかけたことでこいつは渋々荷台に乗せてくれた。
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