New face.Ⅱ-another

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その眼鏡があんまり生意気なんで、私は初心を忘れて口論を繰り広げてしまう。 「あーしゃぁないな。わかったよ」 「ホント!」 「ヴェルテ!」 その途中で私と眼鏡の口を手で塞いで、黙らせた彼が告げた一言に喜んでいると、眼鏡は不服げな声を彼に向けている。 ふぅん、彼ヴェルテって名前なんだ。 眼鏡の言葉から思わぬ情報を入手した私は、その眼鏡を宥めているヴェルテの背中を眺める。 やがてまだ完璧とは言わないが、眼鏡が承諾するようなことを言ったのを確かめて、私は二人の腕をとる。 眼鏡はその手をぱっと振り払ったけど、とりあえず名乗ってくれた。 「お前もそろそろ名乗ってくれないか」 で、振り払わなかったヴェルテにそう促されて、まだ名乗ってなかったことを思い出した。 「あ、そうだったわね。私の名前はロッサ。仲間にしてくれたこと感謝しますわ」 だから私は自分から離れて、二人に向かってたおやかに一礼する。 ただの暇つぶしのはずが、私の人生を大きく揺さぶる出逢いになるなんて思わなかったわ。 そして私は噂に落胆した評価を心の中で書き換えることにした。
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