268人が本棚に入れています
本棚に追加
「おい、二人とも」
声をかけて振り向いた二人を手招く。
「なにー?仕事?」
「今日のは飛びっきりスリルのあるやつだぜ」
チェスを中断して二人が駆け寄って来たところで、グリージョが話し始める。
「今回の依頼は、こいつの悪事を食い止めて欲しい」
「修道女?こいつがなにしようとしてるんだ」
そう言うグリージョが差し出した写真を覗き込む。
写真にはいかにも清楚な修道着で身を包んだ女性。
悪党には見えないけど。
「これはやつの仮の姿さ。本名かは知らないが、スネークと名乗っている。」
「スネーク?それってあの」
だが、名前を聞いた俺はピンとくるものがあって、グリージョをみる。
俺の記憶に間違いがなきゃ、確か裏社会で有名な女の名だったはず。
「知っているなら話が早い。今奴はこの通り修道女に化けて悪事を重ねている」
その俺を見てグリージョはそう続けた。
スネークはその名が示す通り、蛇のように強かで狡猾な性格な女である。
そして裏社会を取り仕切る大ボスに取り入っては、そいつらに援助を受けつつ、その陰に隠れて裕福な生活を送っている。
最初のコメントを投稿しよう!