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「よし、俺はあれを追うかな」
「え、相手はトラックよ?」
ふいにヴェルテはそんなことを言うので私は思わず聞き返す。
車はアーズリーが乗っていってしまったから、今の私たちは徒歩の手段しかないのに。
「大丈夫だよ、さっきバイク持ってきたから」
けどヴェルテはにっと笑ってポッケから鍵を取り出して見せる。
いつの間に。
「ならいいけど、無茶しないでね」
「わかってる。じゃ行ってくるぜ」
でもここでうろうろしてるよりはましではあろうから、軽く手を振ってヴェルテを送り出す。
私は……帰ろうかな。
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