vs Cat's boss-3

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今の話を聞いて、正直言えば驚いてるし、危険な橋は渡りたくもないが、どこかわくわくしている自分がいることも否めない。 それにそんなことで引き下がるのも癪だしな。 「ま、引き受けた以上やるしかねーんだ。強盗のことはあとでグリージョに確かめるとして、次は俺たちが仕事ができる状況をつくらねぇとな」 だから俺は怖気を吐き出すようにひとつ息を吐いて、呟く。 「それにこれくらいスリルがあったほうがやりがいはあるさ」 「そう、よね。うん、たしかに面白いほうがいいものね」 「あぁ、おれもそう思う」 そしていまだ困惑顔のロッサと、自分で予想を立てておきながら怖気づいてるアーズリーに俺は笑って見せる。 それでようやく顔を上げた二人の瞳には迷いはなくなった。 さぁ今度はあそこへ潜入するために動かないと。
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