vs Cat's boss-5

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バーに入ればすでに全員そろっていて、私に気付いたヴェルテが手を振っている。 「お前が最後なんて珍しいな」 「うるさいわね、そういう日だってあるわよ」 イスに座ればヴェルテが揶揄かってくるので、ぷいとそっぽを向く。 私だって予想外だったんだもの。 今までいろんな仕事を受けてきたけど、ここまで大掛かりで、危険と隣り合わせなのは初めてで、あんなふうに寝てようやく疲れたのに気付いた。 でもわくわくしたな。 けどそれと同時に感情が高ぶるのも味わった。 「よ、お疲れさん。報酬渡しに来たぜ」 スネークに止めを刺した瞬間を思い出していると、ジェラルミンケースを掲げたグリージョがやってくる。 それを受け取ったヴェルテたちはもう呑む準備を始めている。 けどグリージョが来たことで、私はあることを思い出す。 「あ、姐さんどこ行くんです?」 「ちょっとそこまで。すぐに戻るわ」 今日は用があると祝勝会に参加しないと言ったグリージョを追おうとしたら、手下に呼び止められる。 それに軽く手を振って外へでる。
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