vs Cat's boss-5

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「グリージョ!」 「ん?あ、ロッサ。なんか不備でもあったか」 すでに車に乗り込んでいた彼を私は寸でのところで呼び止める。 「そうじゃないけど、あの教会ってどうなるのかなって」 「教会?うーん多分しばらくは閉鎖されるだろうけど、そのうち正式な神父かシスターがくると思うぜ」 窓越しに身を乗り出したグリージョに首を振って私はそんなことを聞く。 「そう、ならいいの」 「おや、ロッサは敬虔な信者なのかい?」 グリージョの答えにそう呟けば、おどけた口調で聞き返される。 「私が信じるのは私だけよ。神様なんて信じないわ。でも……」 それを鼻で笑い返して、すっと視線を上げ空を見る。
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