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もうひとつが、
「まさかゴーストタウンに連れてこられるとはな」
何らかの理由で人に見捨てられ、廃墟と化した無人の街。
そう、今俺らがいるこの場所もそれに当たる。
「へーさすが、裏社会生活が長いだけあるな」
「実際見んのは初めてだがな」
俺の予想はやはり当たっていたみたいで、グリージョが肩越しに笑い返してくる。
「ちょっ、そんなところに住む場所なんてあるの?」
「こんな場所が存在するんだな」
ゴーストタウンと聞いた途端に、ますます引っ付いてきた二人がポツリと零している。
「誰も近寄らないこんな場所だから、うってつけなんだよ。ほらあそこだぜ」
それにからりと笑ったグリージョは立ち止まって前を指差す。
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