Removal.Ⅰ

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もうひとつが、 「まさかゴーストタウンに連れてこられるとはな」 何らかの理由で人に見捨てられ、廃墟と化した無人の街。 そう、今俺らがいるこの場所もそれに当たる。 「へーさすが、裏社会生活が長いだけあるな」 「実際見んのは初めてだがな」 俺の予想はやはり当たっていたみたいで、グリージョが肩越しに笑い返してくる。 「ちょっ、そんなところに住む場所なんてあるの?」 「こんな場所が存在するんだな」 ゴーストタウンと聞いた途端に、ますます引っ付いてきた二人がポツリと零している。 「誰も近寄らないこんな場所だから、うってつけなんだよ。ほらあそこだぜ」 それにからりと笑ったグリージョは立ち止まって前を指差す。
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