vs Pilot's boss

4/17
前へ
/459ページ
次へ
まぁ、それはさておいて。仕事の話に戻る。 「それで運び屋が盗品を運ぶのが明日の夜じゃ」 「明日ぁ!?」 ほんっと急ぎだな、それは。 ジイさんの急ぎとは時々あったが、それでも短くて三日ぐらいは猶予があった。 けれど今回はかなり時間がない。 二人も驚きを隠せないでいる。 時間がないということは準備する時間もないということ。 準備不足はそれだけで失敗のもとになる。 だからなるべく時間はある方がいいのだ。 「詳しい情報はどうなっているんだ、マスター」 「今手元にあるのはこれぐらいじゃ」 その圧倒的な時間不足を補いたいのであろうアーズリーが詰め寄るも、ジイさんは力無く首を振って、目の前の書類を指す。 そこにはジイさんが話したセアの詳細と、運び屋が盗品を持っているとしか書かれていない。 つまりセアが盗品をどこへどのルートで運ぶかは全くの不明というわけだ。 これは流石に無理じゃねーのか。 大物相手に危険な橋は渡れない。そう思った時だった。
/459ページ

最初のコメントを投稿しよう!

268人が本棚に入れています
本棚に追加