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「お、こんな時間からいるなんてお前ら暇だね~」
そんな呑気なセリフとともにグリージョが入ってきた。
「グリージョ、ナイスタイミング!今早急に欲しい情報があるんだ」
そんなことないと反論しかけて、俺はこいつの職業を思い出す。
それで今聞いた話をグリージョにすれば、なにやら思案しているのか黙り込んでしまう。
「できなくはないが、それなりに払ってもらうぜ」
「わかってるよ。でもやらなきゃなんねーから」
それで口を開いたグリージョの言葉に俺は間髪入れずに答える。
普段でもこいつの指定する情報料は決して安いものじゃない。
そこへ無理を頼めばその分も要求されるのも当たり前だ。
わかってはいるが、こいつの集める情報にはそれだけの価値がある。
それに今はグリージョに頼らざるを得ない。
「ならまた夜にここへ来る」
「すまない、助かる」
すればそう短く告げて身を翻したグリージョの背に礼を言う。
「よし、俺らもできる限りの準備に取りかかるぞ」
そして俺は両隣の二人にそう言って立ち上がる。
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