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その夜。
約束通りバーにやってきたグリージョは、かなりの量の情報を集めてくれていた。
「目的地はこの国際空港。で、輸送経路はおそらくこう……」
地図を広げ説明するのを俺らは必死に覚える。
「それで狙うならここだな」
指し示したのは、なんと目的地手前。
うんまぁ、確実ではあるな。
下手に道中で襲うよりはリスクは低い。
これなら準備不足を補える。
「急拵えだからもしかすりゃあ不備もあるかもしれねぇが、こんぐらいでどうだ」
「これだけあれば十分だぜ。無理言っちまったのに助かったよ」
説明し終えたグリージョが聞いてくるので、俺はもう一度礼を言う。
「そうかい。じゃ武運を祈ってるぜ」
それから言われた情報料を渡せばグリージョはそう言い残してバーを出て行く。
確かに元有名レーサーの運び屋とやりあうのだから、あとはもう運次第だな。
実行まであとちょうど丸一日。
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