vs Pilot's boss

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ヴェルテの言葉に腹を括ったおれは、文字通り命懸けの策を実行に移す。 「ならヴェルテ、もう少しだけハンドルを支えててくれ」 「了解」 『ふ、なかなかしぶといじゃないか』 「そりゃ、どーもっ!」 ヴェルテの助けを借りながら、セアの車に体当たりをし始める。 その様子をセアが鼻で笑っているが、ヴェルテも負けじと笑い返す。 やがてやつの車を反対端へ追い詰める。 「あとは大丈夫だ。だからしっかり掴まっていてくれ」 「ほう、何をする気だ、ガキども」 策の最終ポイントまできたのを知らせるように、ヴェルテに告げて窓を開ける。 すれば向こうも窓を開け、こちらを見てくる。 「何って、こうするのさ!!」 「なっ、っ!?あぁぁー!」 セアが余所見したのを確認して、おれはもう一度強く車体をぶつける。 車がさらに右へずれた先には、道なりに左へカーブしたガードレール。 驚いているセアをよそに、おれは素早く反対にハンドルを切りながらブレーキを力一杯踏んだ。
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