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「まーだ回復しないのか」
バーに戻って手下達を待っていると、飲み物を両手に持ったグリージョがそう言いながら隣に座る。
「うるさい」
とりあえず車からは降りれたが、まだ足元が安定しない。
わかってて聞いてくるのが少しムカつくので、おれは突っ伏していた上半身を起こし睨み返す。
それにやつはにやにやと笑いながらグラスの一つを差し出してくる。
飲みたいが、この状態で酒など呑んだらどうなるか。
「あーそれ、ノンアルコールだよ」
そんなことを考えて、手を出すのを迷っていると見透かしたように笑う奴の言葉にようやく飲み物に口をつける。
「元トップレーサーに勝ったんだからもう少し誇れよ」
それからやつが言うのにおれはふと思い返す。
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