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「ここら辺でひとつ大勝負をしてみませんか」
「と、いうと？」
俺の言葉に目を上げた男に俺は、未開封のトランプケースを取り出す。
「勝負は変わらずポーカーですが、賭け金を上限なしでやるというのはいかがでしょうか」
「ほぅ、上限なしか。いいだろう、受けてたとう」
俺の申し出に乗った男の言葉に周りの観客が沸く。
「では勝負は一回きり、手札の交換も一回でよろしいでしょうか」
「ああ、構わないよ」
そういいながら俺は客の一人にケースごとトランプを手渡し、切るよう頼む。
数回切ってもらったのを、リボンスプレッドという方法で一列に並べ広げてみせる。
あくまで不正がないかのように。
それをまた元通りに重ね、今度はそのトランプを配るようさっきの客にお願いする。
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