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「それでは賭け金の額はいかがいたしましょう」
「そうだな、お互い今得た賞金というのはどうだね」
五枚のカードが手元に並べられたところで尋ねれば、男は自分の脇に積まれていたチップを目の前に移す。
「ディーラーの得た賞金は店のものでありますので、私はこちらを」
そう言って俺は胸元に入れていた小切手を取り出し、その一枚に数字を書き込む。
額は一億。
「ほほう、それだけ賭けるということは、ずいぶん自信があるんだな。ではこちらも全部を賭けようじゃないか」
それに一瞬驚いた表情をしたが、男は笑ってさらにチップを積む。
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