Mission trickster-2

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「ふぅ……」 「お困りかの」 それまで見続けていたパソコンから視線を外してイスに凭れたところで背後から声をかけられる。 「マスター。いえ、思った以上にガードが固くて。まぁ場所が場所ですから」 声で誰かに気付いて、慌ててそちらを向きなおす。 ニコニコと笑うマスターに歯切れ悪く答える。 引き受けた仕事は、とある大病院で隠蔽された手術ミスの証拠を手に入れること。 病院の上辺ぐらいならセキュリティーを掻い潜って忍び込むことはできるが、最奥部となるとそうはいかない。 それに今回はばらばらに動いているので、動いてくれる手下も多くはいない。 現に情報処理班の一人であるEsはヴェルテについていってるし。 「なら、少しだけ力を貸してあげましょう」 マスターと話していたはずなのに、自分の考えにはまり込んでいるとそんなことを言われる。
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