Mission trickster-2

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「こう暗いんじゃ作業しにくいだろ?」 「っ!?」 いきなり部屋の明かりが付き、目を細めているとそんな言葉が耳に届く。 声の方を見れば、壁であった場所が開いている。 そしてそこに立っているのは帰ったはずの副院長。 「おっと、動かないでもらおうか。どうもここ何日かあやしい気配を感じると思ったら、とんだものが紛れ込んでいたな」 逃げの行動を取ろうとしたが、副院長が懐から取り出した銃を向けるので、従わざるを得なくなる。 参ったな。 一歩一歩近づいてくる副院長を睨みながら、おれは退路を考える。 「隠し通路にサイレンサー付きの拳銃とは、病院に似つかわしくないな」 「ふ、備えあればなんとやらだよ」 胸元に銃を突きつけられるほどの距離に来たところで、見上げるおれの言葉に副院長は笑う。
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