Mission trickster-2

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「君こそセキュリティーを書き換えるなんて、何者なのかな」 「教える必要はないが、ま、ちょっとした正義の味方さ」 今度は向こうが聞いてくるのに、おれは肩を竦めて冗談めいたセリフで答える。 なんて、こんなやりとりをしている暇はないんだよ。 変わらず銃口を押し当てられたままなのに、緊張感のない回答をする自分に自分で呆れる。 「大変面白いね、それは。でもそろそろそれを返してもらおうか」 副院長はそれに笑いながら、おれの手にあるカルテを指す。 「殺すのは気が引けるしねぇ」 「は、すでに人殺しの癖によく言う、っ!」 副院長の言葉を皮肉で返したら、至近距離で顔のすぐ脇を撃ち抜かれる。
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