Mission trickster-2

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「それは聞き捨てならないな。さぁ、次は本気で撃つよ?」 その言葉におれはカルテを持ち替える。 「始めからそうしてくれればいいんだよ」 「誰が返すと言った!」 それを見た副院長が手を出したのに、おれは隠し持っていたナイフをその掌の上を滑らせる。 痛みに体勢を崩したやつにおれはさらに体当たりをして、外の廊下へと走る。 「待て!」 だがすぐにやつも追いかけてくる。 長い廊下をおれはひたすらに駆け抜けながら、上着のポケットに入れておいた無線機に向けて応援を呼ぼうとした。 「君、その男を捕らえるんだ!」 と少し先の角から警備服を着た人物が出てくる。 副院長はこれ幸いとその警備員を呼ぶ。
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