Mission trickster-3

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「ふふっ、何事も備えておくのが得策でしょう。ではこれで失礼させていただきますわ。 ……今後もなにとぞご贔屓に」 疑問を抱いたような言葉に私は最上級の微笑みを向けて立ち上がり、さらにすれ違いざまにそう囁く。 それだけで疑いを解く男をまた内心でバカにしながら、その場を立ち去る。 「とどめは色仕掛けかい」 「あら、これも大事な一手よ」 近くで待機させていた車に戻ると、万が一にとつけておいた無線機からの内容を聞いていたのだろうグリージョに笑いかけられる。 ついでに助手席にいたCも笑っている。 それを髪をほどきながらあっけからんと答える。 さあ次は二日後のオークション会場だわ。
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